■ FEATURE(特集)
海外旅行に潜むテロの危険と対策

 日本と異なる文化や自然、現地の人との触れ合いなど、海外に渡航する日本人の数は年々上昇し、渡航先や渡航形態も多岐に渡る。海外旅行が身近になった一方で、テロや誘拐事件も世界各地で増えており、海外旅行を楽しく豊かな思い出にするためにも、まず、安全面の対応が必要だ。

◆頻繁に起こるテロ事件

 2001年の「9.11事件」以降、海外でのテロ事件に関するニュースを耳にすることが増えた。7月のロンドン同時多発テロ、2002年のバリ島ディスコ爆弾テロ事件や2004年のマドリード列車爆発事件など、一般旅行者が巻き込まれてもおかしくない場所で起きる傾向にあり、実際に日本人が被害にあった事件もある。

◆危ない国・場所に行かない

 何よりも、「危ない国・場所に行かない」のがテロ事件などに巻き込まれないための一番の予防策だ。

 他の旅行者から得られる口コミ情報には、役に立つものもあるが、「つい最近そこに旅行した人が安全だったと言っていたから心配はない」などという安易な考えで、テロ・誘拐などが多発しているエリアに入り、テロ・誘拐事件に巻き込まれる可能性少なくない。

 旅行先の国・地域が安全か危険かは、そこでどのような事件がどのような頻度で起きているか、どのような犯罪組織が活動し、その組織の規模や攻撃の目的は何か、またそれらに対し、現地治安当局はどのような対策をとっているのかなど、多くの情報を総合的に分析して初めて見えてくるものだ。

◆事前に十分な情報収集を

 外務省では、旅行前、現地の治安などの状況を「海外安全ホームページ」内に掲載。「渡航情報」では、特に注意が必要な国・地域について「危険情報」を出し、現地の治安情勢や安全対策などを知らせている。「危険情報」では、安全のためには行くべきではない地域について「退避勧告」や「渡航の延期」などの注意喚起を行っている。

 これらの地域では、テロ、誘拐、武力紛争などの危険が大きく、例えば、退避勧告(2005年7月1日現在)が出されているイラクやアフガニスタンでは、武器・弾薬がはん濫しており、多数の民間人がテロの犠牲になっている。

 また、ひとつの国の中でも、特定の地域に「渡航の延期」が出されている例もあり、注意が必要だ。

 そのほかにも、有名なダイビング・スポットのあるマレーシア・サバ州沖には「渡航の是非を検討」(2005年7月2日現在)が出されているが、同地域では過去に外国人がテロリストに誘拐される事件が発生している。

 これらのリゾート地においても、危険情報が出ているときには、渡航する必要があるのか再考すべきで、どうしても渡航する必要がある場合には、現地の治安対策、旅行会社が採用している安全対策などを十分に調査することが必要だ。


◆目的地の危険を知っておく

 どのような事件がいつどこで起きるのかを予測するのは困難だが、ほとんどの地域において、発生する事件には「傾向」がある。

 これまでに起きた事件を分析すると、テロリストがどういう場所を標的にしそうなのか、ある街のどの地区に強盗が多く出そうなのか、よくある犯罪の手口は何か、夜になったら特に危険が大きくなるのかなど、さまざまな傾向が見えてくる。

 それらを事前に知り、危険な場所・時間帯・振る舞いなどを避けるだけでも、被害に遭う可能性を下げることができる。

◆渡航前の準備が大切

 世界各国でさまざまな犯罪が発生しているが、手口はある程度共通しているものも多く、それを知っておくだけでも被害を減らすことができる。公的機関の配布するパンフレットや渡航準備のガイド本など目を通しておく必要がある。

 また、旅行中の連絡先を家族に伝えておく、パスポートのコピーを持っていく、金銭は一カ所にまとめないなどの基本的な「万が一の備え」をしておけば、事件に遭遇したときに、少しでも損害を減らし、早く正常な状態に戻ることができるようになる。


 

Copyright (c) 2005 内外総合通信社 Naigai Sougou Press All Rights Reserved / Update : 2005年08月02日 (火) 11:12