■ FEATURE(特集)
知っておこう!津波とその防災対策

 2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島沖で起きた地震による津波での犠牲者は、20万人を超えるといわれている。地震多発国である日本においても、津波による人的被害を防ぐために、津波のメカニズムや特性などを学び、防災意識を高める必要がある。

 津波の「津」は、港や湾を意味する。「津波」はその「津」に押し寄せる異常な波だ。この津波の発生には、地球の地殻変動が深く関係している。

 地球の表面は十数枚のプレート(厚さ数十〜百キロほどの岩盤)に分かれており、それぞれがいろいろな方向に動き、押し合っている。このため、プレート同士の境目がずれたり、プレートの内部で割れ目を生じたりすることがある。この時に起きる揺れが地震だ。海底で生じた地震に伴う海底地盤の隆起・沈降などにより、その周囲の海水が上下に変動することによって、津波は引き起こされる。また、海底の地すべりや、火山噴火で大量の土砂が海底にすべり落ちることにより、津波が発生する場合もある。

 津波の規模は、地震の大きさではなく、地震による海底地盤のずれ(断層)の程度に大きく左右される。水平方向に揺れる「横ずれ」と垂直方向に揺れる「縦ずれ」が組み合わさって表れる地震の「縦ずれ」が大きいほど、大きな津波が発生する。

 日本の近海は、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの四枚のプレートが重なる海溝やトラフ(海溝より幅が広い海底の谷)が分布しており、プレート間における大規模な海底地震による津波が発生しやすい海域になっている。大規模な津波の影響範囲は広域に及ぶことから、ほぼすべての沿岸地域は津波被害が生じる可能性を持っている。

 実際、日本は過去に幾度も大きな津波に見舞われた。関東大地震以後、津波により大きな被害が生じたのは、昭和8年の三陸地震津波(死者・行方不明者約3,000人)、昭和35年のチリ地震津波(死者・行方不明者142人)などです。また、平成5年の北海道南西沖地震では、死者・行方不明者230名の大部分が津波によるものと言われている。

 津波から身を守るために、日ごろから災害に対する備えが必要だ。ハザードマップなどを用いて、自宅・勤務地・学校における危険度を把握し、避難場所、避難経路や緊急連絡先を家族で確認しておこう。

 最後に、1854年、安政南海地震津波が発生した際に、地元の庄屋である浜口梧陵が収穫したばかりの稲を積み上げた「稲むら」に火を放ち、暗やみのなか、逃げ遅れた村人を、高台にある広八幡神社の境内へ導いて救ったという実話をもとに、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が『A Living God(生ける神)』という物語の挿話を作成した。

 この『A Living God』に感銘を受けた地元の教員、中井常蔵が、子ども向けに簡潔で緊張感あふれる日本語の文章に書き改めた小説が『稲むらの火』だ。小学5年生の小学国語読本に昭和12年から10年間掲載された。

 防災教育不朽の名作として、現在も読み継がれている。

 ■津波の対策5つの心得

1 強い地震(震度4以上)を感じたとき、または弱い地震であっても長い時間ゆっくりとした流れを感じたときは、直ちに海浜から離れ、急いで避難場所や高台などの安全な場所に避難する
2 地震を感じなくても、津波警報が発表されたときは、直ちに海浜から離れ、急いで安全な場所に避難する
3 津波に関する正しい情報を、ラジオ、テレビ、広報車などを通じて入手する
4 津波注意報が出たら、海水浴や磯釣りは行わない
5 津波は繰り返し襲ってくるので、津波警報、津波注意報が解除されるまで気を緩めない


 

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